2014年6月25日水曜日

マウリッツハイス美術館改装オープンとドナ・タートの「ゴシキヒワ」

改装のため休館していたハーグのマウリッツハイス美術館が
6月27日にやっと一般向けにオープンするという記事がNYタイムズに載った。

これまで休館中には、作品(フェルメールの「真珠の耳飾り」ほか)が
全世界を巡回して、改装費用を稼ぎ出していたのだ。

これで建物の横の小さな入口から入るのではなくて、正面玄関から入るように
なるようだ。そして、地下で別の建物と繋がっている。下の写真のメインの建物は
表面上は変化なく、企画展示会場や講堂、カフェ、売店などが新たに作られた
ということなので、それは地下かもうひとつの建物 の中にあるのだろう。
これは裏の池のほうから見た所

NYタイムズのキャロル・ボーゲルの記事によれば、改装前は年間入場者が
20万人くらいだったけれど、今回巡回ツアーで人気が出て、来場者が殺到する
可能性が高いので、建物全体での入場者を1000人を越えないように管理する。
(売り出すチケットの枚数を限定するということだろう)

「真珠の耳飾りの少女」の部屋は、30人に制限するそうだ・・・。
かなり思いきった方針だ。でもそうすればゆっくり見られるわけだ。
(この人数がどんな意味を持つかは、展覧会の来場者統計についての前の投稿を参考に )
 今後は前もって同館のウエブサイトで切符を入手してから行ったほうがいいと
いうことだろう。
もちろん、もう撮影も禁止だろう。これは2004年に撮影した。
  今回の世界巡回展で大きな反響をよんだのはカレル・ファブリツィウスの「ごしきひわ」
たしかに奇跡のような絵だ。鳥が三次元に見える。
小さな奇跡「ごしきひわ」 これはフリック美術館で。

 この絵が人気を集めたのは、もうひとつ理由があって、英語圏では人気のある作家
ドナ・タートの小説「Goldfinch (ごしきひわ)」の出版と重なったからだった。

実は私も買ったのだ。しかし、この本、770ページもある。いつもならキンドルで
読むところだが、何を間違ったのか紙の本で買ってしまい、重いので持ち歩きができず、
結局読むのに相当時間がかかった。というか、途中で挫折した・・・。
 そして私が挫折している間に、この本は2014年度のピュリッツァー賞(小説部門)を
取ってしまった。(つい最近、やっと読み終えました・・・。)

物語は、マンハッタンに住む13歳の少年が母とオランダ絵画展を見に行ったメトロポリタン
美術館で、テロリストの爆破事件に遭遇し、母を含め大勢が死亡。少年はパニックのうち
に ファブリティウスの「ごしきひわ」を持ち出してしまう、という衝撃的な出来事から
はじまる。日本で翻訳中らしいので、筋は書かないけれど、物語は犯罪小説ではなく、
多感な時期を乗り越える主人公の性格形成に 爆破事件と絵が(精神的に)ついてまわる、
というストーリー。

ドナ・タートは10年に一冊しか書かない作家だという。私はこれまで知らなかったが、
この本を買ったのはもちろん絵の「ごしきひわ」が好きで、それが小説ではどんな役割
を果たして いるかに興味があったから。 絵とファブリツィウスについての作者の考察は
一番最後まで出てこないのだが・・・。

本の表紙にもカレル・ファブリツィウスの「ごしきひわ」が使われている。
ところで、このテロリストによる爆破事件のどさくさにまぎれて、美術品が盗まれた
という話(有名な絵ではないが)、数年前に北欧のどこかで実際にあったような気がする。
ちょっと探してみよう。