2014年10月25日土曜日

Castello di Ama 現代アートプロジェクトその2  杉本博司Confession of Zero

敷地の中にはまだまだサイトスペシフィックな作品がある。

下はチェン・ゼン(Chen Zhen 中国生まれ。ボザールを卒業してパリで活躍したが、
2000年に死亡)の作品で、ワイン・カーヴの奥深い場所にある。天井から
人間の内臓の形をしたガラスのオブジェが多数ぶら下がっている。
La lumiere interieur du corps humain
作品は2000年夏に彼がワイナリーへ招かれて数ヶ月後には完成したが、チェン・ゼンは
その年の暮れに急死。パランティ夫妻は、翌2001年に作品を公開するのを避けて(内蔵の
ようなガラスのオブジェはあまりにも死を思わせるので)、その5年後に公開されたのだ
そうだ。

ワインを作るのと同じペース、つまり1年に1作品を作ってもらう、そして作品を
通じてAMAを世界に紹介する、というのがパランティ夫妻のコンセプトだ。

というわけで、2年前に委嘱されこのたび公開されたのが杉本博司さんの作品で、
タイトルはConfession of Zero (ゼロの告白)という彫刻作品だ。
 残念ながら、スペースが狭すぎ、後ろに下がれないので私のカメラでは全貌は写らない。
(そのうち、どこかの雑誌に本人が撮影した写真が登場するでしょう)
この写真では何もわからないでしょうが・・・


 言葉で言えば、 三次関数が頂点がゼロになる数式の数理模型を彫刻化したもので、
上下一対。一部は白いカララ・マーブル。先端部分がステンレス素材で、その先端は直径
0.8ミリ。したがって、上の写真で、上下の先端を延長し、交わった点がゼロになる・・・
わけです。おわかりいただけるでしょうか?

表参道のビル、オーク表参道の杉本さんの作品を知っている人には「あの作品を上下
一対にしたもの」と想像してもらえば早いかもしれない。スケール的にはこちらの
ほうが小さいが。

そして、この作品にはもうひとつプラスの要素がある。それが下の写真です。
青い空、白い雲、そして逆さまに写った糸杉
 彫刻の背景に外の景色が・・。ただし、それはカメラ・オブスキュラを通して壁に投影
された トスカーナの景色なのだ(だから逆さま)。不思議なことにこの景色、
目で見るよりこうやって写真で撮影したもののほうが映像がはっきり見える。

この作品は小さなチャペル↓に納められているのだが、チャペルには下のような祭壇があり

その祭壇の裏にある告解室のような小部屋に、この彫刻が安置されているのだ。
(Confession of Zeroというタイトルも、そこから来ている。多分ね・・・)
献茶のセッティング
というわけで、まず金曜夜にまずお客様を招待して、マルコさんの心のこもった
スピーチと献茶セレモニーとそして杉本さんの熱唱するアベマリア。
その後、50人くらいの着席ディナー。 

私のテーブルの話題は、圧倒的に食べ物の話だった。
 私の向かいに座ったのはステファノ・ジョバンノーニというミラノの有名な
工業デザイナー。アレッシをはじめとしたイタリアのブランド、日本では
TOTOやドコモの商品デザインを手がけている人。日本にも何回も行ったことがあ
り、隣の席の人たちを巻き込んで築地とミラノの鮨屋や日本料理屋の話でもりあがる。
みんな「Jiro dreams of Sushi」を見ていましたね。(笑)

 翌日(土曜)の昼はもう少し規模の大きなオープニング。スピーチと屋外でのランチ。これまで14年間に作られた作品もこの日は全部見る事ができた。

天気もよく、なによりもパランティ夫妻(と子供たち3人)の情熱的、かつゆったりした
ホスト・ホステスぶりがすばらしかった。
大都会の美術館とはまったく違う雰囲気の中で見る現代美術も、特に作家たちがこの
土地に何を見ているのか(見ようとしているのか)想像できて、楽しい。

マルコさんの妻のロレンザさんのスピーチ
スピーチする杉本さん。300人ほどの人が参加した。


野菜の前菜が美しく、美味しかった・・。(野菜不足だったから・・・)