2015年2月18日水曜日

「セザンヌ夫人」展@メトロポリタン美術館


これはメトロポリタン美術館が所蔵
セザンヌは、彼の一人息子の母親で、後に妻となったオルタンス・フィケを何度も
繰り返し描いた。油絵だけでも29枚。素描はもっとたくさん描かれた。
それらはすべて「セザンヌ夫人の肖像」 というタイトルで知られていて、
オルセーやメトロポリタン、フィラデルフィアと世界中に散らばっているので
見た人も多いと思う。

実は私、このシリーズに興味を持って、ちょっと前に調べて見たことがある。
 そのとき、不思議に思ったのは、このオルタンスの顔が絵によって非常に違って
いるという点だった。そして、みんな不機嫌な表情をしているのだ。
彼女はいわゆる美人ではないし、美人に描かれたこともなかった(上の絵でも
わかるように)。セザンヌはなぜ彼女を描き続けたのだろう? 

いま、メトロポリタン美術館で「マダム・セザンヌ」というタイトルの展覧会
が開催されている。メットの学芸員に私と同じことを考えた人がいた、という
わけだ。笑
いや、セザンヌを知っている人なら、みんな同じように考えるのかもね・・

この展覧会、「セザンヌ夫人の肖像」二四枚集めたというからすごい。

下の絵は、例外的に彼女が美しく描かれたいる。これが描かれたのは1890~92年
頃というから、40歳をちょっと出た所だった。

これはフィラデルフィア美術館蔵
どちらかといえば、セザンヌ独特のブルー(背景や服)で彩られたものが多い。
 が、中に同じ赤いドレスを着た絵が四枚ある。これは、背景も表情も違っておもしろい。
シカゴ美術館(左)、サンパウロ美術館

メトロポリタン美術館
セザンヌは父に咎められるのを恐れてオルタンスの存在を長い間公にしなかった。
子供ポールが生まれたのは彼女が22歳のときだが、結婚は36歳だった。ほとんど一緒には
暮らしていなかったようだ。そして父が死ぬと、ふたりは離婚するし、セザンヌは彼女に
自分の絵を含め何も残さなかった。

それでも彼女はモデルになったし、セザンヌも彼女を描き続けた。不思議である・・・。

ところで、これらの写真はすべて会場で撮ってきたものだ。最近は撮影OKという展覧会
が増えている。それにメトロポリタン美術館も所蔵品の写真(ウエブサイトに掲載されて
いる写真)はすべて使用可能(商業目的でない限り)となった。

昨年のウィットニーでのジェフ・クーンズ展でも撮影はOKだった。
クーンズの場合はどんどん撮影して、ソーシャルメディアに載っけてください、という
感じでしたね。それが宣伝になる時代となった。

展覧会は3月15日まで。巡回はしません。