2015年6月24日水曜日

グッゲンハイム・ヘルシンキの建築コンペはモロ−・クスノキ(楠)事務所に決定

ビルバオのグッゲンハイム美術館へ行かれたことがある方は、あの建物の魅力
がわかると思う。フランク・ゲリ−に興味がなくても、嫌いでも(笑)、
やっぱりすごい建物だ。(メンテナンスは大変そうだが)

ホテルの部屋から撮った。

この建物は、バスクの眠った都市だったビルバオの運命を変えてしまった。

グッゲンハイムは現在、アブダビに新館を建設中(やはりフランク・ゲーリーがデザイン)
でこれもいろいろ論議がある(サスティナブルかどうか、そして 労働者に対する人権
侵害など)のだが、それに加えてヘルシンキにさらに新しく分館を建築するということで、
その建築コンペに話題が集まっていた。

なぜ話題だったかというと、オープンで匿名、という異例の条件がつけられたから。
オープンというのは指名コンペではなく誰でも応募できるといことだが、匿名というのは
要するに、ザハ・ハディド、フランク・ゲーリーなど名前で選ぶのではなく
内容で選ぶためにそういう条件が付けられたのだ。 

そのおかげで、前例のない1715点(77カ国から)の応募があった。
最初の段階で候補として選ばれ公表された6点も、たしか最初は建築家の名前が
公表されていなかったと思う。(ただ、6案の展覧会が行われ、審査委員へのプレゼン
も行われたようなので、どこかの段階で公表されたのだろう)
そしてこの段階でより詳しい建築内容が6グループから提示されるという第二段階の
コンペが行われ、 最終結果が本日発表になった。

選ばれたのは「モロー・クスノキ・アーキテクツ」 。クスノキは楠寛子さん。
ふたりは夫婦だ。 この建築事務所のルーツは日本にある。

ニコラ・モローはパリ・ベルヴィル建築高等国立学校を卒業してから、
東京のSANNAと隈研吾の下で働き、2008年に隈のフランス
オフィスを設立するためにフランスへ戻る。楠寛子は 芝浦工業大学を卒業後、
坂茂の下で働いて、2008年にモローと一緒にパリへ行き、2011年に
モロー・クスノキ・アーキテクトを設立した。

下はこの建築案について話す二人。 若々しいですねえ。



彼らのデザインは、灯台のような建物(美術館の立地はウォーターフロント)を中心に、
繋がった低層の建物(フィンランド産の炭化木材とガラス製)と周辺の遊歩道や
公園などの集合体にアートやプログラムが展示されるというもので、
ビルバオやアブダビの巨大建築とは正反対のものだ。

 写真は下のリンクへ行ってみてもらったほうがいいと思う。

さて、ここまではめでたし、めでたしなのだが、このグッゲンハイム、ヘルシンキ分館が
 ほんとうに建つかどうかはまだ不明。ヘルシンキ市の許可、建設費などの問題に
加え、早くも建築家がフィンランド人でないことに対する不満もささやかれていると
いうから。もっとも、日本から新しい才能が生まれたことはとても喜ばしい。