2015年7月17日金曜日

澤田瞳子『若冲』直木賞取れず、残念

澤田瞳子の小説『若冲』[文藝春秋社)は文章といい、ストーリーの緻密さといい、
江戸時代の京都の描写といい、サスペンス性といい
すばらしい歴史小説である。

 若冲は人気がある画家で、展覧会もよく行われているが、
あの奇妙な作品がどうやって生まれたのか、まだまだわからないことが多い。
この小説は、若冲の妹の立場から若冲の才能の秘密に迫った小説。
当時の京都の日常生活も生き生きと描かれており、お祭りや行事も
楽しいし、火事は悲惨だ。
同時代の画家たち(等伯、応挙、谷文晁、大雅、蕪村)も登場するし、木村蒹葭堂も出てくる。

そして、あのタイルのようなマス目描き作品(三点)がなぜ書かれたかという
謎に迫るーーというのがクライマックスだ。

ひさしぶりに、本を閉じたくないという快感を味わった。

でも、直木賞の選にもれてしまいましたわ。 残念です。
彼女、まだ30代という若さでこのレベルの高さ。
次作を待ってます。

ところで、私はこの本をキンドルで読んだ。
友人はNYの紀伊国屋に買い行ったけどなかったって・・。
(NYの紀伊国屋、最近は本当に日本語の書籍の
品揃えがよくない。だいたい地下の狭い場所に押し込められて・・・)

しかし、直木賞を取った『流』(東山彰良)もおもしろそうだから多分読むでしょう。
これもキンドルで出版されているので、キンドルで買います。