2015年7月25日土曜日

「印象派とデュラン=リュエル」@フィラデルフィア美術館

ロンドンのナショナル・ギャラリーまで見に行った展覧会が、フィラデルリア美術館
に巡回してきて、プレス内覧に行ったのは少し前のことだった。

いつかそのことを書こうと思って、忘れていたのだが、今朝のNYタイムズに展覧会
評が 載っていたので思い出した。
展覧会全体に関してはロンドンに関する投稿に長々と書いたということもあったが
 実はどう書いたらいいのかよくわからなくて、迷っている間に日にちがたってしまったの
だ。というのも、展示されている作品はロンドンと完全に同じだが、展覧会のタイトル
と構成がまったく違っていたからだ。

 そういうのって、あり??? と頭が疑問で一杯になって・・(笑)
どこかに原稿でも書くなら、プレスを通じてきちんと質問したと思うが、そういう
チャンスもなかったので、疑問はそのままになっている。

まず、ロンドンの展覧会のタイトルは
Inventing Impressionism: Paul Duran-Ruel and Modern Art Market
そしてフィラデルフィアのタイトルは
Discovering the Impressionists: Paul Duran-Ruel and New Painting
である。

ロンドンのタイトルはとっても訳しにくかった。そのことは前の投稿に書いてある。
http://nykanwa.blogspot.com/2015/05/blog-post_23.html

それに比べて、フィラデルフィアのほうはあっさりしている。
「印象派画家を発見する:ポール・デュラン=リュエルと新しい絵」
新しい絵というのがよくわからないが・・・。

(以下デュラン=リュエルをDRと略す)

展示も、フィラデルフィアとロンドンはかなり違った。

ロンドンでは入ると最初に、DRと印象派の画家たちの緊密な関係を強調するために、
画家たちが書いた DRの家族の肖像やDRの自宅のドアに書かれた絵(ルノワール、
モネなど)が並び、目に華やか。彼等の関係が単に画家と美術商ではなく、
お互いの人生がかかっているようなものだったことを強調してるんじゃないかと思った。
壁も赤だったり緑だったり派手な色だったような記憶がある。

 フィラデルフィアは、印象派の絵 が年代順に並んでおり、DRは何年にはこういう展覧会
を開催した、何年にはニューヨークで印象派の大きな展覧会をした、という年代順構成
だった。美術史的というか、アカデミックというか・・・。おとなしかった。
一歩引いて、客観的に見ているという感じ。 壁の色も地味なニュートラルカラー。


ニュートラルカラーってこういう色です。

もちろんこれは私の個人的感触だが、タイトルや展示からするとロンドンの展覧会のほう
がDRの役割をより積極的に捉えているような気がする。
なによりもInventing Impressionismという非常に強いタイトルがそれを物語っているのではないか。
で、私は前の投稿にも書いたように、美術商の果たす役割を積極的に評価すべきと
考えているので、ロンドンの展示のほうに好感を持った。

巡回展といっても、解釈の立場はかなり違っているような気がするが、
そういうことはよくあることなのだろうか・・・。
 カタログは表紙だけ差し替えて、内容はどうやら同じなようだが、それも
よくわからない。

ところで、プレス内覧は基本的に写真撮影OKなのだが、
ポプラ並木シリーズのかかっている部屋は例外だった。(このポプラの連作を展示する
部屋、かなり狭くて、それもロンドンとの大きな違い)
日本の国立西洋美術館から来ている作品だけ、撮影しないでください、とガードの人が言ってきた。
なぜでしょうか?
(あと、一番最後の部屋のDR自宅のドアに描かれたモネの絵も撮影不可でした。)