2016年4月16日土曜日

カラヴァッジョ、本物か?

屋根裏から出てきた絵がカラヴァッジョらしいって、フランスでそんな話が報道された。

上野でカラヴァッジョ展が行われているからか、めずらしいことに日本のメディアも
このニュースを取り上げた。NHKラジオ・ニュースが取り上げたのを私はポッドキャスト
で聞いて驚いたが、やっぱりこれは、西洋美術館で行われているカラヴァッジョ展の
スポンサーがNHKだから?

もっとも、見つけて鑑定に持ち込んだフランスの画商が記者会見を行ったので、
このニュースが世界のメディアで大々的に取り上げられたのは事実だ。

発見された絵はカラヴァッジョの「ホロフェルネスの首を切るユディット」 の第二バージョン。
第一バージョンはローマの国立古典絵画館にある有名なこの作品だ。 ↓
第二バージョンの著作権はどうなっているのかわからないので、その絵が写っているテレビ・ニュースの
クリップをお見せする。↗
 説明しているのが問題の画商で、名前はエリック・トゥルカン。

この絵は、フランスのトゥールーズに近いある家の屋根裏から見つかった。
屋根の雨漏りを 直すために、鍵のかかった屋根裏扉を開けたところ、この絵があった、
というわけだ。それが2014年のこと。
この家の持主の先祖はナポレオンの軍隊に加わってスペインに遠征したらしく、
だからこの絵は18世紀スペインで購入した可能性がある、とされている。
そして、その絵を地元の画商から聞いたトゥルカンがクリーニングをして、
専門家の判断を仰ぎ、 カラヴァッジョ作品だと発表したもの。
もしカラヴァッジョなら、136億ドルの価値がある、というわけ。

お墨付きを与えたのはニコラ・スピノザ。ナポリのカポディモンテ美術館の元館長で
カラヴァッジョの専門家。 鑑定作業の一部はルーブルで行われたそうだが、ルーブルは
これがカラヴァッジョだと現時点で結論づけてはいない。

一方、別の専門家、ミナ・グレゴリはこの作品は、カラヴァッジオと同時代のフランドル
画家で、カラヴァジェスキ(カラヴァッジョの継承者たち)だったルイス・フィンソンの
コピーだろうとしている。(コピーということは、カラバッジョの本物があってそれを
コピーしたとうい意味か? そのあたりは不明だ)

ニューヨークタイムズによれば、
もうひとりの専門家、ジョン・ガッシュは、1607年にナポリでカラヴァッジョの
ユーディットの絵が売られたという記録が残っているので、この絵がそうである可能性
はあるとしている。

フランス政府はこの作品の国外持ち出しを禁じ、さらに鑑定を進める決定を行っている。
絵の持主が誰なのかははっきりしない。おそらくは発見された家の住人で、画商と
何らかの契約をしていて、作品が売れたら売上げを分けることになっているのではないかと・・。

カラヴァッジョの絵である可能性もないではない。ダブリンのジェスイット教会にずっと
掛かっていた絵が、行方のわからなくなったカラバッジョの「キリストの捕縛」と
鑑定されたのは1990年代のことだ。この絵は現在アイルランド国立美術館にある。

いずれにしても詳しい鑑定結果を待つしかない。