2016年8月2日火曜日

ディアン・アーバス展 @メット・ブロイヤー

6月末から出張や私用でいろいろな場所に出かけ、おまけに少し忙しかったので
ブログがお留守になった。反省してます。
スイスに仕事で出張したついでに足を伸ばして、マドリッドのプラド美術館
でやっているヒエロニムス・ボスの展覧会を見てきた。この話はまた後で。

(話は違うが、その間、ミュージカル「ハミルトン」について書いた投稿はついに
ヒット数が5000件を超えた。みんな〈マスメディア関係者も含めて)このミュージカル
について書きたくても切符が入手できないので書けないという話を聞いた。
ほんとに初期に見ることができたのは運がよかったのだ。)

7月12日にはじまったディアン・アーバスの初期作品の展覧会のプレス内覧に行った。
展覧会タイトルは dian arbus: in the beginning 
会場はメトロポリタン美術館ブロイヤー館(元ホィットニー美術館だった建物)の2階。

作品は、初期(1956~ 1962年)の作品100点、
全点自分で作ったプリント、
そのうち未発表の作品が 3分の2。

展覧会を大ざっぱにサマライズするとこうなるが、展覧会が可能になったのは、
娘のドゥーンとエイミー・アーバスが残された写真アーカイヴすべてをメトロポリタン
に寄付(プラス売却)したからだ。

アーバスの作品がどこから生まれてきたかがわかって、面白い。
彼女はそれ以前は夫のアラン・アーバスと共同でファッション写真を
撮っていたのだが、それにあきて、ニューヨークのストリート・フォトグラフィー
を撮り始める。
Lady on a bus, N.Y.C.1957
© The Estate of Diane Arbus, LLC. All Rights Reserved


Taxicab driver at the wheel with two passengers, N.Y.C.1956
© The Estate of Diane Arbus, LLC. All Rights Reserved
よく彼女はフリークスを撮る写真家と言われるが、決してフリークだけ撮っていたわけで
はない。この時期の写真の視線はとてもやさしい。

同じ会場に、彼女を有名にしたポートフォリオ「a box of ten photogrpahs」(1970年)が展示
されていたのも興味深かった。これは10枚の組写真(ハッセルで撮っている)を透明な
アクリルの箱に入れたもので、彼女を有名にした写真がはいっている。


しかし、このポートフォリオは売れなかった。12セット作って、売れたのは4セット。
でも買った人がすごい。
 アベドンが2セット(1セットは映画監督のマイク・ニコラスにあげた)。
当時ハーパーズ・バザーのADだった ビー・フェイトラー、そしてジャスパー・ジョーンズ。

このポートフォリオの選択とデザインをしたのがマーヴィン・イスラエルだが、私は
ずっと昔、山岸章二さんがピーター・ビアードの絵本を作ったときに、
山岸さんにくっついて彼に何度か会いに行ったことがある。
マーヴィンはアーバスだけでなく、アベドンや
リー・フリードランダーなど多くの写真家を世に送り出した人だった。
とっても、変わったアパートで、ご本人は穏やかなおじさんだったという
ことぐらいしか覚えていない・・。もったいない。

話を展覧会に戻して、この展覧会のもうひとつの特徴は、展示デザインだろう。

大きな壁を一枚立てて、写真を並べるのではなく、一枚一枚を独立した壁(両側)に展示
する形式。 連続して見るのではなく、一点づつの独立性を強調したデザインになっている。

うーーん。たしかにそうなのだが、
 壁の数があまりにも多すぎて、会場が煩雑かな、と思った。

会記は11月27日まで。


(写真は著作権が厳重なので 掲載できません。上のモノクロ写真2点も、会記が終わったら
多分取り除きます。)