2016年10月4日火曜日

見つかったゴッホの絵、みつからないガードナー美術館の絵

先週は、盗難にあったゴッホの絵2枚が、14年ぶりに発見されたというニュースが
世界をかけめぐった。

この絵は、2002年12月7日の朝、アムステルダムのゴッホ美術館から盗まれたもの。
まだ美術館は開館していなかった。
犯人は天井から館内へ入り、作品を盗んで逃げた。
警報は鳴ったが、警備員が現場に着いたときには犯人はすでに逃走した後だった。

この2枚の絵(いずれも初期の絵「スヘフェーニンゲンの海の眺め」と
「ヌエネンの教会から出る人々」)がイタリア、ナポリ郊外のカモーラ(マフィア)
の関係者宅を大規模なコカイン売買容疑で捜査して、発見されたもの。
 だが、ここに盗まれた絵があるということはかなり前からわかっていたらしい。

2004年に実行犯2人は逮捕され、DNAが決め手となって有罪とされ(懲役4年だが、実際に
どのくらい刑務所にいたかは不明)たが、 本人たちは罪を否定し、絵の在処は知らない
と言い通したようだ。

 絵がどのようにしてカモーラの手に渡ったのかは解明されていないが、アムステルダムと
カモーラは麻薬の売買を通じてしっかりとつながっている。それほど大きくない絵だし、
運搬はそれほどむつかしくなかったのだろう。(オリジナルのストレッチャーにはまった
ままだった)


 上のビデオでもわかるように、みんなとってもうれしそうだ。よかったね。

さて、一方で、戻って来ない絵もある。。。 こちらはなかなか切ない。
1990年のガードナー美術館盗難事件で盗まれたレンブラントやフェルメールを含む13点
である。

これも実行犯はわかっていて、すでに死亡している。問題は絵がどこにあるかだ。
しかし、何度も投稿してきたように、まったく手掛かりがない状態だ。

唯一、もしかしたら絵の行方を知っている可能性があると言われてきた人物が、
 危篤だという報道(ボストン・グローブ)が先週あった。ゴッホの絵が出てきたのと
ほぼ同時くらいのタイミングで。

 この人物はロバート・ジェンティルというあまりぱっとしない犯罪者。
コネチカット州在住の80歳だが、銃の不法所持というどうでもいい理由で逮捕され
刑務所に入れられた。もちろん、逮捕は口実でしかない。

FBIは、絵はボストンの犯罪組織からコネチカット経由でフィラデルフィアの犯罪組織
に移動したと推測している。そして、犯罪組織の末端にいたロバート・ガランティという
犯罪者 (すでに死亡)が、2004年に二枚の絵をジェンティルに渡したところを、
ガランティの妻が見たと証言しているのだ。だからジェンティルは絵のことを知っている
筈だ、といわけだ。

そして検察は、ジェンティルが昨年FBIの囮捜査官に50万ドルで絵を売ろうとした、とも
ジェンティルの裁判で証言。ジェンティルは一貫して自分は絵のことは知らないと主張
して、服役した。が、持病が悪化して、現在はサウスカロライナの病院に入院している。

9月30日に病院から「寿命末期の準備をするように」と言われ、肉親と弁護士が
集まった。 しかし、弁護士に「何かいうことがあるならいまがチャンスだ」と
言われてもジェンティルは 「絵なんか、ないよ」と言うばかり。
どうやら死に際の告白はなさそうだ。

彼が死ねば、捜査は振り出しに戻るのだろうか。絵は出てくるんだろうか?
ほんとにどうなるんでしょうね。