2017年4月5日水曜日

ジョージ・W・ブッシュの絵

元大統領ジョージ・W・ブッシュの絵が話題を呼んでいる。彼が描いた肖像画集が
ベストセラーに躍り出た。

このブッシュは、アフガン侵攻、イラク侵攻した息子のほうだ。
ブッシュは引退してから、66歳にしてはじめて趣味として絵を描くようになったのだそうだ。

最初は自画像や自分の周辺の人物を描いていたが、だんだん腕前も上がり、対象も
広がった。 そして、「Portraits of Courage: A Commander in Chief’s Tribute to America’s
Warriors」という画集を出版した。 ダラスのブッシュセンターで展覧会も行われている。


これはアフガン戦争やイラク戦争にいった退役兵士の肖像画集だ。ブッシュはブッシュ
センターのチャリティ・イベントでこれらの人々(多くは負傷したりPSTDの被害に
あって、回復している)と出会い、彼等の回復に感動して絵を描き始めた。

これがベストセラーになったばかりでなく、何人かの美術評論家に本格的に取り上げられ
、ルシアン・フロイドだとか、スーティンなどと比較されている。肖像画は写真を
元に描かれているので、その意味で すこしよそよそしい点はあるが 大統領時代には
見られなかったブッシュの誠実でウィットに富んだ側面が出ている、と多くの評論家
からほめられている。

66歳で筆をとった彼は、地元ダラスで有名な画家、ゲール・ノーフリートのプライベー
ト・レッスンを受け、 その後多くのテキサスの画家と出会ったことで、画家としての
対象と技法を身につけていった。

ノーフリートの紹介で画家ロジャー・ウィンターに出会い、それがきっかけで世界の
指導者の肖像画(写真をモデルに)を描くようになった。その後は風景画家と親しく
なり、より大きなキャンバスで、絵の具を盛り上げるように使って描くようになる。
そして、その画家の紹介でこんどはセドリック・ハッカビーというまだ若いアフリカ系
肖像画家と出会う。そして、ブッシュセンターにやってくる退役軍人たちを
描くようになった。

ひとりひとりの肖像画にはブッシュが書いたエッセイがついている。 それには彼がその
人物と会ったときの話からはじまって、軍人時代の仕事内容、負傷したときの様子、
回復の苦悩・苦労、そして回復へ向かって肉体と精神を見直すことによって鬱から
救われたか・・などが書かれている。

ブッシュはもちろん、この本が自分が戦地に送った軍人たちに対する贖罪の一種だと
思っているわけではないだろうが、画家とモデルの関係がこれほど複雑なケースは
他に例を見ないのではないという意味で、興味深い。

下はブッシュセンターでの展覧会のリンク。
 http://www.bushcenter.org/exhibits-and-events/exhibits/2017/portraits-of-courage-exhibit.html

本の売上げはすべてブッシュ・センターに寄付される。