2017年11月15日水曜日

競売シーズンは、ダ・ヴィンチの「救世主」が大きな話題に

クリスティーズのショーウィンドー。ガードマンが立っているのはここから列が始まるから。
予想通り、今シーズンの競売はダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」をめぐって盛り
上がっている。

この絵を、古典絵画ではなく、現代美術品と一緒に売るという英断が大きなプラスに
作用している。アメリカの競売では、現代美術品がもっとも人気があり、高値がつくからだ。
(先シーズンは、前澤氏がバスキアを約123億円($110million )で買って話題となった)

写真でもわかるように、クリスティーズはこの絵をラスト・ダ・ヴィンチと銘打っている
が、それはダヴィンチが描いた最後の絵ではなく、個人コレクターの手にある最後の作品
であり、したがって市場に出回る可能性のある最後の作品であるという意味。

実際にこの絵が真作かどうかをめぐっては、真作ではないと言っている専門家もいる。
私も見に行ってきた。列はあったけど、平日で雨が降っていたので、並んでいた人は
少なく、10分くらいで入れた。先週末はえらく混んでいたようですが・・。



 印刷でみても不思議だったけど、実物もやっぱり不思議な絵。何度も描き直されたり、洗
浄されたりしているので、オリジナルがどのくらい残っているのだろうかと思う。顔と首の
あたりに特にそういう感じがする。そして、やはりアンドロジーニアス感が非常に強い。
(「モナリザ」もアンドロジーニアス感が強い絵だが) また、左手で持っている球体だが、
ガラスの向こうの絵柄がレンズ効果で歪んでいないのはおかしい、とも指摘されている
(スティーブ・ジョブズの伝記を書いたウォルター・アイザックソンがダ・ヴィンチの伝記
を書いていて、その中でも指摘。)
 
しかし、真作かどうかということより、いくらで売れるのか、というほうに話題は傾
きがちだ。(それはクリスティーズの思うつぼだが)

この作品の評価額$100millionというのはオールドマスターではこれまでにない価格
である。クリスティーズによれば第三者がギャランティーをつけているということ
だが、これは誰かが「この価格で買いますよ」と保証しているということだ。
ではいくらで買うといっているのか? 恐らくそれが$100millionなのだろう。

したがって、実際の競売でその線を越えるかどうかが問題になってくる。
私は越えると思う。問題は、$200millionを越えるかどうか、だ。

昨晩のクリスティーズの印象派競売では、ゴッホの作品が$81millionで売れ、
全体の売上げが$479millionと好調だった。

話題になる作品があると、競売のレベルが上がる。PRにお金をかける意味はこんな
ところにもある。